東洋医学の養生 ~梅雨の過ごし方~

梅雨から夏にかけて高温多湿の日本では、湿気が不快に感じる季節になりますね。
汗が乾きにくく、雨に濡れたり、家の中に湿気がこもったりすると、身体にも「湿」がたまりやすくなります。
健康のバランスを崩すほどの身体にとって邪魔な「湿」は、「湿邪」となり様々な体調不良を引き起こします。
「湿邪」によって起きる体調不良
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胃腸の不調 (食欲不振、消化不良、下痢など)
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手足の冷え
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自律神経の乱れ
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生理不順
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皮膚トラブルの悪化
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むくみ
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水ぶとり
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だるい
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頭痛
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神経痛
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関節痛 など
陰陽五行説では、湿度、季節の変わり目、梅雨~夏季に影響を受けるのが「脾(ひ)」の働きだとされています。
「脾」の主な働きは、
食物を消化吸収し、全身に送り届けることです。
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消化吸収をコントロールする
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血液の流れを調整する
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筋肉を形成する
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飲食物からの栄養を吸収し、全身に送る
「脾」に「湿」がたまると・・
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「脾」の働きが弱まり、食欲不振、胃の痛み、消化不良、肌のトラブル、口内炎などの不調が起こります。
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味覚がわかりにくくなり、とくに甘味を欲しがるようになります。
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過食になりやすく、むくみやだるさや脱力感や疲労感を感じたりします。
脾を元気にする食事で水分代謝を良くして
「湿邪」がたまらないようにしましょう
★ 生もの(特に刺し身)は食べ過ぎず、冷たい飲み物も避けたほうがよいでしょう。
★ 「脾」の働きを弱らせる脂っこいもの、甘いものを食べ過ぎないように注意しましょう!
★ 胃の弱い方は、消化がよいもの、温かいものを選ぶようにしましょう。
★ むくみや水ぶとりや頭痛が気になる方は、ハトムギ、小豆、大麦などの利尿作用のあるものがお薦めです。
★ 梅干し、玉ねぎ、ねぎ、ニラ、生姜、シソ、ミョウガ、三つ葉、シナモン、カレー粉、山椒、らっきょう、唐辛子、などの香味野菜やスパイスは胃腸の働きを活発にしたり、血流を良くして水分代謝を促します。また殺菌作用があるので、食中毒予防にもなりますよ。
★ 胃腸の働きを助け、弱った脾を元気にする食べ物は
米、長いも、さつまいも、かぼちゃ、人参、キャベツ、胡麻、醤油、味噌 などです。
★ 身体の冷えが気になる場合は特に、梅雨時に夏野菜を食べ過ぎて身体を冷やさないようにしましょう。健康維持の基本は、旬の食べ物をいただくことです。
★ また、スポーツや入浴などで血行ををよくして代謝を高めて、「湿」を汗で身体から追い出すのも有効ですよ。