交流分析の「4つの構え」から見えてくる
心の成長過程とは
交流分析という心理学では、幼少の頃の親子関係での立場(ポジション)が、その後のあらゆる人間関係においても、基本的構えになっていると考えます。
それぞれの人の基本的構え(立場)は
四つに分類されます
●自他肯定
I'm OK. You're OK.
●自己否定・他者肯定
I'm NOT OK. You're OK.
●自己肯定・他者否定
I'm OK. You're NOT OK.
●自他否定
I'm NOT OK. You're NOT OK.
人間は、幼児期に親との関係によって思い込んだ立場(構え)をすべての場面でも当てはめて強化していきます。それは、自分の体験する世界を予測できるように保とうとするためです。
たとえ、その構えが否定的な世界であっても、「予測できないという不安」を回避するために、否定的な世界を作り出す構えを無意識にみずから選択し続けてしまうんです。
なので、もしも、自分が今まで選択してきた構えがネガティブな現実を作っているのだとしたら……
みずから意識して、自分が向上できる構えを選択していきましょう。
否定的な考え方というのは、幼い子どもだった自分が思い込んでいるだけで、実際には真実ではありません。
だから、今から新たに肯定的な思い込みを心に持つこともできるんですね。
ただ、幼少の親子関係で作られる思い込みというのは、潜在意識の深い部分での思い込みの場合がほとんどなので、顕在意識で肯定的な思い込みを持とうとしても簡単には変えられないかもしれません。
場合によっては、数年間かけてインナーチャイルドに働きかけたり、親子関係でのわだかまりを紙に書き出して、否定的な感情を感じ尽くしてあげることで、自分の内側を深い部分から癒していく必要があります。

交流分析では、人間の精神的な成長は、このような段階を踏んでいくと考えます。
I'm NOT OK. You're NOT OK.
・みんなダメ! ダメーーーーー!
・拒絶・閉鎖・不信感・虚無主義・放棄・絶望・精神病・自殺・犯罪
↓
I'm OK. You're NOT OK.
・わたしのせいじゃない! あなたのせいよ!
・相手のせいにして、自分の責任や成長を放棄する
・排他主義・自己中心・独善・妨害・犯罪
↓
I'm NOT OK. You're OK.
・自分の心のあり方を客観的に観ようとする
・他人のせいにするのをやめる
・劣等感を克服しようとする
・自分の改善点を知る
・向上心を持って、成長しようとする
↓
I'm OK. You're OK.
・自分のことも、相手のことも、長所も短所も含めて、それぞれに、あるがままでみんながOK!
・みんな違って、みんないい
・主体的に生きられる
・尊厳・調和・共存・尊重・協力・平和・真の自由な自己表現
心身ともに健やかに生きるためには、心が平和なことが必要不可欠です。
自分にも、相手にも OK が出せるから、心が平和になります。
そのためには、一歩ずつ段階を踏みながら、I'm OK. You're OK. まで心を成長させていく必要があるんですね。
自分の心の奥にある「自分を否定する想い込み」に気づいたら、そう思い込んでしまったときの自分の気持ちをしっかり受け止めてあげます。
心の痛みを一つひとつ癒していきましょう。
どんな人でも、人生の中では、寂しかったり辛かったりする体験が必ずあります。
「苦しいのは自分だけじゃないんだ」と思えると、自分を責める気持ちも、相手を責める気持ちも、解けてくるかもしれませんね。
でも頭に浮かんでくるのはしあわせな思い出や未来ではなく、過去の嫌な体験や未来への不安ばかりを何度も考えてしまうかもしれません。
重要なのは、おだやかなしあわせを感じていた瞬間も、たくさん存在していた……ということです。これからも、たくさんのしあわせな瞬間がやってくるでしょう。
人間の思考は、放っておくと、欠落している部分に意識を向けてしまうものなんです。
だから、ハートでしあわせを感じとるように意識することも必要です。ハートで感じられる無条件の愛や無条件のしあわせは、常に完全で欠落のない今此処(いまここ)にあるからです。
「自分の人生は、自分の心が作っている」
という自覚を持って主体的に生きるとき、平和で健やかな心と身体になります。
●自分の心身の健康に責任を持って行動できるようになります。
●悪い結果になっても他人や社会のせいにして責めたり、自暴自棄になったりしなくなります。
●「自分の人生は、自分の心が作っている」という原則が腑に落ちていれば、他人をコントロールしたり、変えようとしたり、助けを求めていない人に同情したりして余計なお節介をやかなくなります。
アドラー心理学の「課題の分離」ができるので、他人の領域に踏み込むことがなくなり、人間関係が平和になります。
アドラー心理学の「課題の分離」についてのブログ記事