心と身体が、密接に連動している仕組みについて
心身の機能を調節している自律神経には、交感神経と副交感神経があり、相互にバランスよく働くことで健康維持しています。
ところが、心にストレスを感じると、ノルアドレナリンの分泌によって交感神経が優位になり身体も緊張します。
ノルアドレナリンは、生命の危機・不安・恐怖・怒りを感じたり、集中力を要するときに分泌されるホルモンです。この反応が起きるのは、敵と戦ったり、必死に逃げるために、身体を緊張させて心臓の鼓動を早め、血圧を上げて、敵をよく見るために瞳孔を拡大させ、呼吸を激しくさせ、神経を高ぶらせる防衛本能の仕組みが備わっているためです。万一怪我をしたときに備えて、血が固まりやすい状態にもなります。
なんとすばらしい機能を備えた心身をもって、生まれてくるのでしょう!
しかし、このような身体のストレス反応が日常的に起こっていたら、身体も慢性的に疲れてしまうし、凝固しやすい血液状態で血圧が高いとなると、動脈硬化も進行します。身体の慢性疲労や動脈硬化なども、心のストレスと密接な関わりがあるわけですね。
また、ノルアドレナリンの分泌が増えると、リンパ球が減少して免疫力の低下というマイナスの反応が起こってきます。
心のストレスが、身体を疲れさせて元気をなくさせ、それがまた心にストレスとなる……という悪循環に、わたしも長いあいだ陥っていました。
このように、自律神経や免疫の働きは、驚くほど心の状態の影響をしっかり受けとって変化しているんですね。心身をすこやかに調整してくれている仕組みを知れば知るほど、日々を健康に生きていることへの感動と感謝がわいてきます。
健康でいられるのは、第一に心の状態が良好で、自律神経や免疫が毎日休むことなくバランスよく働いているお陰なんですね。
反対に、病気になる大きな要因は、心が不安定で、自律神経や免疫の働きに異常が起きるためです。
健康な身体で、自由にのびのびと生きるために、心のストレスに柔軟に対応できる健康な心でいたいですね。