人間の心 (意識) にある
顕在意識と潜在意識の特性
顕在意識 は・・・
自分で気づいていて自覚できる心です。
*ものごとの善悪や価値などについて分析や評価をしたり、判断、決意、選択する心の領域です。
*自分にとって望ましいことと、望ましくないことを識別しています。
*思い悩んだり、不安を感じたり、様々な願望を持ったりします。
潜在意識 は・・・
本人でもはっきり自覚できない心です。
*過去の経験や思考を貯蔵しています。
毎日の生活の中で、見聞きしたこと、観察したこと、受けた印象、思考、感情、感覚、イメージなどが貯蔵されています。
*眠っている間も、24時間ずっと働き続けています。
眠っていても、心臓を動かしたり、呼吸、食物の消化吸収、新陳代謝、ホルモンの分泌など、身体の機能を絶え間なく動かし続けます。
*疑ったり、批判したり、判断することはありません。
つまり、すべての情報をそのまま受け取って、そのまま蓄積していきます。
たとえば、「自分にはできない」などといった、自分にとって不利益になることであっても、まったく疑いの余地なく信じてしまいます。
*時間の概念がありません。
過去・現在・未来の区別をしません。
*現実と想像を区別しません。
実際に体験していない、イメージしただけのことでも、本当のことだと受け取って、そのまま蓄積します。
*創造的な洞察力や直観力の無限の宝庫です。
睡眠中の夢や、ひらめき、直感などを生み出します。
これらの潜在意識の特性を活かして
自己暗示することができます
セルフイメージが良くなる思考を潜在意識に増やしていけば、自動的に良いセルフイメージ通りに行動できるようになっていきます。
たとえば、健康で生き生きとした自分をイメージしたり、ダイエットが順調にうまくいって元気な自分をイメージすることで、潜在意識が身体に働きかけて、望み通りの自分になれたりします。
このように潜在意識を望みが現実化するように自己暗示するアファメーションは、健康や成功などの願望実現に有効な手段のひとつです。
潜在意識にアファメーション(自己暗示)するのに効果的なのは、起床のときの半睡半覚や、夜の眠りに入る直前、催眠状態などです。



顕在意識と潜在意識を発見したのは、精神分析学、深層心理学の基礎を築いた心理学者・精神分析学者・精神科医のジークムント・フロイト(1856年生まれのオーストリア人)と弟子の心理学者・精神科医のカール・グスタフ・ユング(1875年生まれのスイス人)です。
意識を「海に浮かんだ氷山」に例えると、水面上の部分が顕在意識で、水面下に隠れている部分が潜在意識であると発表しました。
下のイラストは、氷山をわかりやすく描いていますね。
潜在意識の部分は、意識全体の約90~95%を占めていると考えられています。
水面上の部分よりも、水面下の見えない部分がこーんなに大きい氷山にたとえることで、顕在意識と潜在意識をイメージしやすく解説したフロイトとユングの功績はすばらしいですね!
ふだん自覚できている顕在意識は、意識全体からすれば、まさに氷山の一角。意識のほとんどが、ふだん自覚できない潜在意識なんです。
ということは、自分たちの潜在意識について、もっと理解して、もっと大事にしていれば、もっと人生が豊かになる可能性が秘められているんです。
氷山と聞くと連想するのが、タイタニック号の事故です。
目視できない水面下の巨大な氷の塊で傷ついて沈没したタイタニック号。この事故は、人間がふだん認識できている世界はとても狭い範囲だと気づかせてくれます。
余談になりますが、南極の氷山を間近に観られるクルーズツアーもあるそうですよ。
現代では、水面下の氷山を探知しながら安全に航海できるのでしょうね。
わたしは寒がりで、水が怖いから、おそらく今世では、氷山や南極の氷の世界を楽しむクルーズを体験することはないでしょう……。
それにしても、一つの人生で体験できることって、地球全体や宇宙全体から観れば、本当にひとにぎりにも満たないような限られた範囲内のものですね。
だけど、過去世や未来世の一つ一つの生涯のなかで、必ず何かを学び、心を浄化したり、魂をみがいているはず。
だから今世が平凡で退屈だったり、過酷だったり、たとえどんな人生であっても、しっかりと今を生きて、目の前の現実から学んで成長することが、魂の喜びになるし、潜在意識にもよい影響を与えるんだと思います。