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東洋医学の養生 ~冬の過ごし方~

 

冬の3ヶ月間を閉蔵(へいぞう)と言います。

冬は、万物が静かに沈み消極的になり、収納、貯蓄される季節です。

 

大自然と一体のわたしたち人間も、冬は陽気(身体を温める熱源エネルギー)が深く貯蔵されていることが自然なバランスなのです。ですから大自然との調和を乱さないよう、こころも身体も静かに……活動的にならないようにして、発散しないようにしましょう。

 

 

日の短い冬のあいだは、古の人々のように、できるだけ夜は早く寝て、朝は遅く起きるように努めましょう。

 

春や夏は気温が高く、身体に陽気が多くなるので、活動的になったり、汗を流して余分な陽気を発散させることが必要です。
逆に陽気が減る秋冬には静かにして、運動などで発汗しない方が良いのです。

 

もし冬に発汗し過ぎたり、飲酒によって一時的に陽気が多くなった反動で冷え過ぎたりすると、身体の陽気が不足して(じん)が悪くなります。

(東洋医学のは、成長・生殖・泌尿器系・活力・アンチエイジングの働きを支えていると考えられています)

とくに、寒がりや冷え性の人が冬のあいだに一番気をつけたい、間違えやすい習慣に、長風呂があります。

血行を良くしたいからと、汗がたくさん出るほどお風呂で温まりすぎると、汗とともに身体の陽気が出て行ってしまい、開いた毛穴から冷えが入ってくるので、必ずあとで冷えてしまうのです。冬のあいだは、温まったら、さっと出るほうが身体に負担になりません。

 

 

冬のあいだに無理をすると、春になっても陽気が足りず、手足がだるくなったり、アレルギー症状が出たり、様々な体調不良が起こやすくなります。冬の過ごし方が、春の免疫力や自然治癒力に大きく影響するのです。

 

子どもや赤ちゃんが秋から春先にかけて、よく風邪を引く場合は、暖房のし過ぎと着せ過ぎで発汗し過ぎて陽気不足になってしまったり、毛穴が開いたままで風邪(ふうじゃ)が入りやすくなっているということも一因になっているようですよ。

Pick up

早起きしてジョギングしたり……

夜にジムで汗を流したり……

サウナや岩盤浴や温泉や長風呂でせっせと汗を流し……

冷やした飲み物や食べ物を摂り……

夏野菜や熱帯産フルーツや生野菜サラダを食べている……

健康のために続けている習慣であっても、もしも季節によって変化している自分のこころと身体を無視しているのであれば、逆に身体を痛める元になってしまうかもしれません。

 

 

陽気が多くなりすぎている体質・気質の人にとっては、ある程度の適度な発汗・発散は必要になります。

肉食や脂っこい食事を摂り過ぎていると、余分な熱が身体に溜まり過ぎて、身体もこころもカッカするので発散せずにはいられなくなります。それで、つい発散し過ぎてしまったり、冷たい飲食をしたり、水分を摂り過ぎたりするので、バランスをコントロールすることが難しく、冬と春先にバランスを崩しやすくなります。

 

 

食べ物は、旬のものをいただきましょう。

冬のあいだは発散の力が強い葉野菜よりも、貯蔵の力を持った根菜類を多めにいただくようにすると、身体の陽気を補ってくれます。

 

 

目先の流行や情報に流されずに、もっと自分自身の体調を感じたり、体質に合わせて、季節に応じた生活をしていきたいですね。

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